音楽の友(批評)
日韓国交正常化50周年記念特別企画《ザ・ラストクイーン》

  大正9年(1920)、韓国併合に伴う政略結婚で、朝鮮王朝最後の皇太子李垠に嫁いだ方子の生涯を描いた創作オペラ、8景、約90分。休憩はない。企画、主演は在日コリアン2世のソプラノ田月仙(チョン・ウォルソン)で、10年の構想、取材をかけた彼女の熱意によって生まれた作品だ。台本は木下宣子、作曲は孫東勲(指揮)とRyuGetsu。舞台は、椅子、机などの簡素なものだが、背景のスクリーンに日韓の歴史的映像、また象徴的なバレエが物語を暗示する。下手にピアノ、ヴァイオリン、フルート、チェロ、打楽器、上手にソプラノ、アルト、テノール、バリトン各1。主演の田月仙は衣装を替えながら、15歳から87歳までを演じたが、特に朝鮮王朝の大礼服を纏った姿は、歌唱と共に美しく見事だった。お相手の皇太子を歌手でなく、化身として相沢康平がバレエで演じたのは賢明。歴史に埋もれた日韓の愛を知る意味でも再演を望みたい。 9月27日・新国立劇場<中> 三善清達 (音楽の友より)

201406毎日新聞

Chon Wolson officilal Website www.wolson.com